遺品整理は慣れていない場合がほとんどであるため、適切な時期やタイミングを判断するのは難しいものです。また、遺品整理にはいくつかの注意点もあるため、計画的な対応が求められます。
本記事では、遺品整理をはじめる時期やタイミング、遺品整理の方法について解説します。また、遺品整理をはじめる前に確認すべきポイントや時期が遅れた場合の注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

遺品整理を始める時期やタイミング
遺品整理を始める明確な時期や決まりはありません。ここでは、一般的な時期やタイミングについて紹介します。
- 葬儀後(亡くなった1週間以内)
- 社会保険・役所関連等の手続き後(亡くなった1週間後~1ヵ月程度)
- 四十九日法要の後(亡くなった49日後~3ヵ月程度)
- 相続放棄の期限前(亡くなってから3か月以内)
- 相続税の申告期限前(亡くなってから7~8ヵ月程度)
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.葬儀後(亡くなった1週間以内)
遺品整理を始める最も早いタイミングは、葬儀が終わった直後です。このタイミングで遺品整理を始める理由は、親族が集まっているタイミングであり、必要な手続きや整理を進めやすい状況にあるためです。
とくに、故人が賃貸住宅に住んでいた場合、賃料が発生し続けるため、早期の遺品整理が求められます。また、入所施設では「1週間以内の退去」が求められる場合もあり、施設のルールを確認する必要があります。
2.社会保険・役所関連等の手続き後(亡くなった1週間後~1ヵ月程度)
人が亡くなった直後は、役所への死亡届の提出や年金、健康保険、介護保険などの届出、公共料金や金融機関に関する手続きが必要であり、忙しい場合が多いです。
そこで、これらの手続きが一段落した1週間後から1か月程度の時期に遺品整理を始めるケースが多く見られます。時間や精神的な余裕が生まれる段階でもあるため、遺品整理に集中して取り組めます。
3.四十九日法要の後(亡くなった49日後~3ヵ月程度)
四十九日法要は、仏教の伝統に従い、故人が極楽浄土への旅立ちを迎える重要な日です。この期間は、故人が現世をさまようと考えられており、四十九日が終わると故人の魂が安らかな場所へと移るとされています。
そのため、四十九日法要の後、49日後から3ヵ月程度の間に遺品整理を始めるのが適切と考えている人も少なくありません。法要を通して親族間で遺品に関して話し合い、形見分けや遺品の処分方法について協議し、全員が納得できる遺品整理を目指しましょう。
4.相続放棄の期限前(亡くなってから3か月以内)
相続人は故人の遺産について「単純承認」「相続放棄」「限定承認」のいずれかを選択する必要があります。相続放棄や限定承認を検討する場合、手続きの期限は故人の死後3か月以内です。
この期間内に遺品整理を終えることで、故人が残した財産と負債の全体像が把握できます。もし、「単純承認」「相続放棄」「限定承認」のいずれも選択しない場合は、自動的に単純承認とみなされるため、故人が負債を抱えている場合に注意が必要です。
5.相続税の申告期限前(亡くなってから7~8ヵ月程度)
故人の遺産に関わる相続税の申告と納税は、死亡から10か月以内に完了させる必要があります。この期限を守らないと延滞税が発生するおそれがあるため、遺品整理は相続税申告の準備として非常に重要です。
相続税を算出するためには、この期間内に遺品整理を実施し、遺産の評価総額を把握するようにしましょう。不動産などの査定が必要な場合は、専門家の評価を受ける必要があり、このプロセスには時間がかかるため、計画的な遺品整理が求められます。
遺品整理の方法
次に、遺品整理の方法について解説します。
- 子どもや親族が片付ける
- 遺品整理業者へ依頼する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.子どもや親族が片付ける
遺品整理を子どもや親族で実施する場合、経済的な負担も考慮する必要があります。現地への交通費や粗大ゴミの回収料金は自治体によって異なりますが、小さな物品の処分には300円程度、大きな物品では1,000円〜2,000円程度の費用が発生します。
さらに、冷蔵庫やテレビ、洗濯機、エアコンなどの家電は家電リサイクル法により、通常の粗大ゴミとしての処分ができません。遺品整理を効率的かつ経済的に進めるには、これらの費用を事前に確認し、計画的に作業を進めることが大切です。
メリット
子どもや親族が自ら遺品整理を実施する最大のメリットは、費用を節約できる点です。専門の遺品整理業者に依頼すると、それ相応の費用が発生します。しかし、自分たちで整理する場合、粗大ゴミの処分費用など最低限の費用で済みます。
また、遺品整理の過程で故人の遺した品々を手に取りながら、故人との思い出を振り返る機会が持てるのも、自ら遺品整理を実施する場合ならではです。
デメリット
子どもや親族が遺品整理を自ら実施する場合、手間や整理にかかる時間がデメリットです。遺品の仕分けや梱包、運搬といった作業は、予想以上に体力と時間を要します。
また、故人にとって大切だった品物を見落としたり、価値のあるものを捨ててしまうリスクもあり、細心の注意を払わなくてはなりません。さらに、故人との思い出が詰まった遺品を手に取ることは、精神的な負担が大きい場合があります。
2.遺品整理業者へ依頼する
「遠方に住んでいる」「遺族が高齢で片付けることが困難」など、さまざまな理由により、遺品整理を専門業者へ依頼する人も多いです。
ただ、自ら遺品整理する場合と比較し、費用が高額になる可能性を考慮しなければなりません。一般的に3LDKの住宅で遺品整理を依頼する場合、費用は20万円前後が相場とされています。
ただし、料金は業者によって異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と料金を比較するようにしましょう。
メリット
遺品整理業者へ依頼するメリットは、手間と時間を大幅に節約できる点です。遺品が多量にある場合でも、専門業者であれば短時間での整理が可能です。
さらに、遺品整理だけでなく、不用品の処分や清掃まで一貫して対応してくれる業者も多いため、遺族の負担が軽減します。また、どのように処分すべきか判断に迷う品についても専門的なアドバイスを受けられる点もメリットです。
なお、岡山でおすすめの遺品整理会社については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【2024年最新】岡山県でおすすめの遺品整理業者10選|選ぶためのポイントやよくある質問をご紹介します!
デメリット
遺品整理を専門業者に依頼するデメリットは、費用の面での負担が大きい点です。遺品整理の費用は、住宅の間取りや遺品の量によって変動しますが、一般的には20万円前後が相場となります。
この費用は、自ら遺品整理を実施する場合に比べて高額なため、複数の業者から相見積もりを取り、サービス内容と費用のバランスを検討することが必要です。
また、専門会社を選ぶ際は、費用面だけでなくサービスの質や対応の速さ、追加料金の有無なども総合的に考慮する必要があります。
遺品整理を始める前に確認すべき5つのポイント
次に、遺品整理を始める前に確認すべきポイントについて解説します。
- 相続や手続きに必要な書類を保管しておく
- 親族の了承を得る
- 遺言書やエンディングノートがないか探しておく
- 相続放棄する場合は遺品整理しない
- 遺品整理は計画的に実施する
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1. 相続や手続きに必要な書類を保管しておく
遺品整理を始める前に、相続や各種手続きに必要な書類を探し出して保管しておきましょう。遺品整理の際に、保管しておくべき重要書類は以下のとおりです。
- 銀行や金融機関の預金通帳
- 実印やそのほかの印鑑
- 土地や建物など不動産関連の権利書
- 生命保険・損害保険の証書および関連書類
- 年金関連の書類、年金手帳
- 株式や金融資産に関する書類
- 結婚指輪や結納品、ファッションリング
- 宝石、宝飾品、高級時計、貴金属
- 契約書(賃貸、リース契約など)
- 借金やその他債務に関する書類、覚書
- 現金、商品券
- カード類(キャッシュカード、クレジットカード、健康保険証、マイナンバーカードなど)
- 携帯電話、インターネット、公共料金などの契約書
- 骨董品や美術品
- 切手やコインなどのコレクション品
- 金庫およびその鍵
これらの書類や品物は、相続手続きや故人の財産評価において非常に重要です。
2.親族の了承を得る
複数の相続人がいる場合、貴重品や遺品を巡るトラブルを避けるためにも、事前に承認を得るようにしましょう。了承が得られないまま遺品整理を進めると、後に相続トラブルの原因となりかねません。
また、遺品整理業者を利用する際は、追加料金の有無やサービス内容を明確にしておくことも大切です。業者選びは慎重に行い、契約前にしっかりとサービス内容を確認してください。
3.遺言書やエンディングノートがないか探しておく
遺言書やエンディングノートは、遺産相続や形見分けに関する具体的な指示が記載されており、遺族間のトラブルを防ぐ役割を果たします。
自筆遺言が見つからない場合は、公正証書遺言が公証役場に登録されている可能性があるため、確認しておきましょう。遺言書やエンディングノートの捜索に困った場合は、遺品整理業者への相談も有効です。
多くの専門業者は貴重品や重要文書の探索にも経験があり、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。
4.相続放棄する場合は遺品整理しない
相続放棄する場合、遺品整理はしないでください。もし遺品に触れ、処分や整理を行ってしまうと、それが相続の意思表示とみなされ、結果として相続放棄ができなくなるリスクがあります。
故人の財産を処分したり、銀行の預金を解約する行為は、相続財産として認識され、「法定単純承認」の扱いになります。これは、故人の負債も含めて遺産をすべて引き継ぐことを意味し、後になって負の遺産に気づいても対応できません。
相続放棄したい場合は、放棄の意志が明確になるまで遺品には一切手を付けず、適切な法的手続きを優先させましょう。
5.遺品整理は計画的に実施する
高齢で亡くなった方の場合、生前に「もったいない」という考えから多くの遺品が残されているケースがあります。このような状況で計画なしに整理を始めても、作業はなかなか終わりません。
事前に作業工程の計画を立てておくと、整理作業がスムーズに進みます。また、ビニール袋やごみ袋など片付けに必要なものは、作業を始める前に準備しておきましょう。
遺品整理の時期が遅れた場合の注意点は3つ
次に、遺品整理の時期が遅れた場合の注意点について解説します。
- 遺産分割協議を進められない
- 賃料や固定資産税などを支払う必要がある
- 空き巣や火災などのリスクがある
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.遺産分割協議を進められない
遺品整理が遅れると、貴重品や宝石など価値ある不動産を含む遺産全体の把握ができず、結果として遺産分割協議を進めるのが困難になります。不動産の相続登記や預金の払い戻し、さらには相続税の申告手続きにも影響がおよび、相続プロセス全体が停滞する原因となります。
したがって、遺品整理は相続手続きの初期段階で迅速に実施し、故人の財産状況の正確な把握が重要です。遺品整理の遅れによるデメリットを避け、スムーズな遺産分割協議を実現するためにも、遺品整理は計画的に実施しましょう。
2.賃料や固定資産税などを支払う必要がある
賃貸契約が存続している限り、賃料の支払い義務があります。固定資産税は毎年1月1日の土地所有者に課されるため、故人名義の場合は相続人が納税責任を負わなければなりません。
さらに、空き家が自治体によって「特定空家」と認定されてしまうと、固定資産税は通常の最大6倍まで増額される可能性があります。これは、空き家が周囲の環境や景観に悪影響をおよぼす可能性があるからです。
3.空き巣や火災などのリスクがある
遺品整理前であっても、空き巣や火災、倒壊のリスクを避けるため、現金や貴重品を安全な場所に移動させる、ブレーカーを落として電気火災を防ぐ、ガスの元栓を閉めてガス漏れのリスクを減らすなどの対応が不可欠です。
さらに、トラブルの原因となる可能性のある遺品は、親族での合意を得て早期に処分しておきましょう。
遺品整理の時期でよくある5つの質問
最後に、遺品整理の時期でよくある質問を紹介します。
- 質問1.遺品整理の大まかな流れは?
- 質問2.遺品整理で急を要するケースとは?
- 質問3.遺品整理が大変な理由とは?
- 質問4.遺品を仕分ける際のポイントは?
- 質問5.遺品整理業者に依頼する場合の費用相場は?
それぞれについて詳しくみていきましょう。
質問1.遺品整理の大まかな流れは?
遺品整理の大まかな流れは次のとおりです。
- 遺品整理のスケジュールや役割分担を決める
- 遺言書やエンディングノートなどを確認する
- 相続人・親族全員の合意を得る
- 遺品整理を始める
- 不用品を処分する
この流れのなかで重要なのは、相続人や親族全員の合意を得ることです。遺品整理を始めることを事前に相続人や親族に伝えていなければ、後になって相続トラブルへと発展するケースもあります。
したがって、遺品整理の方針を相続人や親族と共有し、方向性を決定することが大切です。
質問2.遺品整理で急を要するケースとは?
孤独死が発生し遺体の発見が遅れた場合、部屋の汚損や悪臭、害虫の発生といった二次的な被害を最小限に抑えるため、遺品整理を急ぐ必要があります。
また、故人が住んでいた賃貸物件の契約更新期限が迫っている場合にも、不必要な家賃支払いを避けるため、速やかな遺品整理が必要です。つまり、自身を含めた周囲が不利益を被る可能性がある場合は作業を急がなくてはなりません。
質問3.遺品整理が大変な理由とは?
故人の遺品整理が大変といわれるのには、次の3つの理由があります。
- 精神的な負担が大きい
生前に故人が愛用していた物を手に取るたびに、悲しみや喪失感が再燃し、遺品整理を進めることが心理的に辛くなる
- 処分する遺品の判断が難しい
故人にとって価値のあった物や、見た目では価値が判断しにくい美術品や趣味の品などは、処分するべきか判断に迷い、遺品整理の進行が遅れる原因となる
- 故人が残した遺品の量が膨大
遺品整理は家全体の物を一つひとつ整理する必要があり、物理的な作業量が膨大になる
これらの理由から、遺品整理は時間も労力も要する大変な作業であり、専門業者の支援が必要になるケースがほとんどです。
質問4.遺品を仕分ける際のポイントは?
遺品を仕分ける際のポイントは、形見として残すものと廃棄するものを明確にわけることです。とくに、貴重品や重要書類は自ら慎重に取り扱うことが重要で、これには通帳、カード、印鑑、身分証明書、契約書、貴金属や美術品が含まれます。
これらは、業者に任せず自分自身で確認して仕分けることで、後のトラブルを避けます。仕分けが終わったら、不要なものは自治体の粗大ゴミサービスを利用するか、専門の処分業者に依頼して処理しましょう。
質問5.遺品整理業者に依頼する場合の費用相場は?
遺品整理業者に依頼する場合の費用相場の目安としては、以下のとおりです。
|
間取り |
料金相場 |
作業人数 |
作業時間 |
|
1R・1K |
30,000~80,000円 |
1~2名 |
1~3時間 |
|
1DK |
50,000~120,000円 |
2~3名 |
2~4時間 |
|
1LDK |
70,000~200,000円 |
2~4名 |
2~6時間 |
|
2DK |
90,000~250,000円 |
2~5名 |
2~6時間 |
|
2LDK |
120,000~300,000円 |
3~6名 |
3~8時間 |
|
3DK |
150,000~400,000円 |
3~7名 |
4~10時間 |
|
3LDK |
170,000~500,000円 |
4~8名 |
5~12時間 |
|
4LDK以上 |
220,000~600,000円 |
4~10名 |
6~15時間 |
ただし、費用は選ぶ業者や依頼する内容によっても異なるため、複数の業者から相見積もりを取り、しっかりと費用相場を確認することが大切です。
まとめ
本記事では、遺品整理を始める時期やタイミング、遺品整理の方法、遺品整理を始める前に確認すべきポイント、時期が遅れた場合の注意点について解説しました。
遺品整理を始める明確な時期や決まりはありませんが、一般的には葬儀後や社会保険・役所関連等の手続き後、四十九日法要の後など、区切りの良いタイミングで実施されるケースがほとんどです。
また、遺品整理は子どもや親族が片付ける場合と遺品整理業者へ依頼する場合があります。どちらもメリットやデメリットがありますが、遺品整理に必要な時間や故人のものに触れる精神的な負担などを考慮した場合、遺品整理業者へ依頼するのがおすすめです。
株式会社サンナインでは、ご遺族のご負担を少しでも軽減するためのお手伝いや仕分け、不用品の回収をメインに遺品整理のサービスを提供しています。

