家族や親戚が亡くなった場合、遺品整理が必要になります。しかし、遺品整理に慣れている人は少ないため、遺品整理費用の支払いについて戸惑うのも無理はありません。
本記事では、遺品整理費用の支払い義務や費用相場について解説します。また、費用を抑えるポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

遺品整理費用は誰が払うべき?
遺品整理は物品の整理だけでなく、遺品を管理する権利や義務も整理して相続します。遺品整理の費用は基本的に相続人が負担しますが、故人の遺言書や口頭で遺品整理の費用の支払い方法が指定されている場合もあります。
ただし、相続人が家庭裁判所への申述など所定の手続きを踏んで相続放棄している場合、遺品整理費用を支払う義務はありません。故人が多額の借金や負債を抱えている場合は、相続放棄を検討する必要があります。
相続放棄には期限があり、3か月以内に行わなければいけません。故人の財産や遺品の取り扱い次第では相続放棄ができなくなるケースもあるため注意が必要です。
【ケース別】遺品整理の義務
次に、遺品整理の義務についてケース別に解説します。
- 相続人がいる場合
- 相続人はいないが連帯保証人がいる場合
- 身寄りがない場合
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.相続人がいる場合
法定相続人とは、故人の財産を相続する権利がある人であり、主に故人の配偶者や血族が該当します。故人が亡くなると、その遺品の所有権は自動的に法定相続人に移ります。
通常、遺品整理は法定相続人が主導して行うのが一般的です。相続人には配偶者や子供、両親、兄弟姉妹の順に義務があり、故人の配偶者は必ず法定相続人になります。しかし、これは法律上の婚姻が前提のため、元配偶者や事実婚の場合はこの範疇には含まれません。
2.相続人はいないが連帯保証人がいる場合
借主が亡くなり相続人が不在、または相続を放棄している場合、連帯保証人には遺品整理や原状復帰などの義務が発生します。これは、故人の代わりに賃貸物件の状態を元に戻す責任も連帯保証人が担うためです。
そのため、連帯保証人は借主とほぼ同等の義務を持ち、孤独死などの事態が発生した場合、清掃や遺品整理の主な費用負担も担わなければなりません。
3.身寄りがない場合
身寄りがいない人が亡くなった場合、遺品整理の義務は基本的にはその人の法定相続人にあります。法定相続人がいない、または不明な場合は、亡くなった人が生活していた自治体が費用を負担して遺品整理するのが一般的です。
自治体は、公共の安全と衛生を守るために、適切な処置を行います。もし、遺品のなかに価値あるものがあった場合、それらは一定の期間保管された後、公売にかけられるケースがあります。
遺品整理にかかる費用相場
遺品整理を業者に依頼する場合、費用は部屋の間取りや広さによって大きく異なります。一般的には、「1R」や「3DK」といった部屋の広さが大きくなるほど、費用も高額になるケースが多いです。
これは、部屋が広いほど現状復帰や掃除の手間がかかり、貴重品を探すための時間が必要になるためです。ただし、費用は広さだけで決まるわけではなく、物量や周辺環境などの要素によっても変動します。
そのため、正確な金額を知りたい場合は、適切な遺品整理業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。
なお、遺品整理の相場については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
関連記事:遺品整理の費用相場とは?費用を安くする方法や遺品整理業者を選ぶ際のポイントを徹底解説!
遺品整理にかかる費用の内訳
次に、遺品整理にかかる費用の内訳について解説します。
- 遺品の処分費用
- 不動産の売却や解体費用
- オプションサービスの費用
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.遺品の処分費用
遺品整理の費用の内訳には、家具や家電、仕分け作業で出た不用品を処分・回収してもらう場合にかかる処分費が含まれます。これには、粗大ごみの処分や不用品回収業者に依頼した際の費用も含まれ、遺品の数が多いほど費用は高額になります。
しかし、故人が大切にしていた遺品をすべて処分するのは避け、相続人が引き取る、リサイクルする、あるいはネットオークションに出品するなど、さまざまな方法で価値を活用することも考慮すべきです。
2.不動産の売却や解体費用
遺品整理における不動産の取り扱いには、売却や解体が含まれます。不動産を売却する際の費用は、仲介手数料や登記費用、印紙税などが主な費用です。仲介手数料は売却価格の数%であり、地域や不動産会社によって異なります。
解体費用は、建物の大きさや構造によって変わりますが、およそ数百万円が一般的です。これに加え、廃材の処分費用も必要です。また、解体には市町村への届け出が必要な場合があり、それに伴う手数料も考慮する必要があります。
3.オプションサービスの費用
遺品整理におけるオプションサービスには、特殊清掃や遺品の買取、供養代行などがあります。特殊清掃は、遺体が長期間放置された場合などに必要で、数十万円程度の費用がかかるのが一般的です。
遺品の買取サービスは、価値ある品を現金化する際に利用され、買取価格は品物の状態や市場価値によって変動します。供養代行サービスは、故人の遺品を適切に供養するためのもので、数万円程度の費用が見込まれます。
遺品整理にかかる費用を安くするポイントは3つ
次に、遺品整理にかかる費用を安くするポイントについて解説します。
- できるだけ自分で片付ける
- 遺品を売却する
- 複数の業者に相見積もりを依頼する
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
1.できるだけ自分で片付ける
遺品整理をできる限り自分で行うことは、費用を大幅に抑える効果的な方法です。まず、不用品を整理し、リサイクル可能なもの、寄付できるもの、ゴミとして処分するものに分けます。
これにより、不要なものを減らし、必要最低限の処分費用で済ませることが可能です。また、親族や友人の協力が得られれば、業者に頼らなくとも作業を進められるため、さらにコストを削減できます。
2.遺品を売却する
遺品のなかには貴金属や着物、骨董品、家具など、買取可能なものが残されている場合があります。これらの遺品を買取専門店や業者に査定してもらえば、不用品ではなく買取品として手放すことが可能です。
この方法は不要なものをお金に変えて片付けられるため、処分費用を抑えると同時にゴミ処理費用の節約にもつながります。さらに、リユース品として次の持ち主の元で長く使ってもらえるため、故人のものを捨てる罪悪感を抱えずに片付けられます。
なお、遺品整理の売却については、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:遺品整理で高く売れるもの10選|買取を依頼できる業者の種類や高く売却するコツをご紹介!
3.複数の業者に相見積もりを依頼する
遺品整理業者を利用する際は、少なくとも3つの業者から訪問見積もりを取ることが大切です。見積書を発行してもらった後は、内容を詳しく確認し、疑問点があれば業者に質問してください。
また、業者によっては作業内容を「遺品整理作業一式」とまとめて記載する場合がありますので、具体的な作業内容を事前に確認し、不要な作業項目が含まれている場合は除外してもらえるよう交渉しましょう。
遺品整理費用は誰が払うでよくある3つの質問
最後に、遺品整理費用は誰が払うでよくある質問を紹介します。
- 質問1.遺品整理の費用を支払いたくない場合は?
- 質問2.相続放棄ができないケースとは?
- 質問3.遺品整理を業者に依頼するメリットは?
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.遺品整理の費用を支払いたくない場合は?
遺品整理や相続は、借金の連帯保証人など特別な場合を除いて、遺族が自由に選択できる問題です。生前にほぼ疎遠だった親族の遺品を整理する義務はなく、相続放棄も可能です。
遺品も遺産の一部であり、相続放棄をすれば遺品整理を行う必要もなく、負の遺産と呼ばれるゴミ屋敷や買い手がつかない空き家などの管理責任からも解放されます。ただし、相続放棄の申請は故人の死後3ヶ月以内に行わなければなりません。
質問2.相続放棄ができないケースとは?
故人の財産から費用を支払った場合や故人の財産から支払い手続きを行った場合、相続を承認したものとみなされる可能性があります。このように、貴金属や美術品などの高価な遺品を売ってしまうと相続放棄ができなくなります。
着古した衣類など一目で価値がないとわかるものの処分は問題ありませんが、故人の財産である価値の高いものを売却してしまうと相続したとみなされてしまうため、注意してください。
質問3.遺品整理を業者に依頼するメリットは?
遺品整理を専門業者に依頼すれば、事前の分別なしに迅速かつ効率的に対応が可能です。家族が亡くなった際、遺品の量が多く、何十年も住んだ家には生前使用していた日用品や衣服などが大量にあるため、一人で片付けを試みるとかなりの重労働です。
遺品整理を専門にする業者は、不用品の回収にも対応しており、今後使えない物も含めてゴミを一緒に処分してくれます。古い棚やテーブルなどの粗大ゴミも回収し、家全体をスピーディーに整理整頓することが可能です。
さらに、遠方に住んでいる場合や多忙などで遺品整理の対応が難しい場合でも、業者が迅速に対処してくれるため、仕事がある日でも安心して任せられます。
まとめ
本記事では、遺品整理費用の支払い義務や費用相場、費用を抑えるポイントについて解説しました。
遺品整理費用は、基本的に相続人が負担しなければなりません。しかし、遺言書や口頭で支払い方法が指定されている場合は例外も存在します。
また、相続人が相続放棄している場合には、遺品整理費用を支払う義務はありません。とくに、故人が多額の借金や負債を抱えている場合は、相続放棄を検討する必要があります。ただし、相続放棄は3か月以内という期限があるため、相続放棄を希望する場合は早めの対応が必要です。
なお、遺品整理費用を支払う場合は、いくつかのポイントを踏まえておきましょう。たとえば、見積もりを依頼する場合は、複数の業者から相見積もりを取り、比較検討するようにしてください。さらに、遺品の買取サービスがある業者を選ぶと、遺品整理費用と相殺できる可能性があります。

